小説をデザインする「スノーフレイクメソッド」

小説をデザインする「スノーフレイク・メソッド」

原文:The Snowflake Method For Designing A Novel by Randy Ingermanson

小説を書くことは簡単なことだ。良い小説を書くことは難しい。そんなものなのだ。もしも簡単なら今頃みんなベストセラーになっていて賞も獲っているだろう。

率直に言って小説の書き方を伝授する人なんてこの世にごまんといる。それぞれの違ったやり方がある。でも一番は、自分自身に合うものである。

この記事では、私が使った方法を皆さんに共有したいと思う。私はこれまで6冊の小説を出し、12もの賞を受賞したことがある。これまでに多くの会合でフィクション小説の書く技術を教えてきた。その中で一番人気のある講義がスノーフレイク・メソッドを使って小説を書く方法である。

このページは私のウェブサイトで一番人気のあるページで1日に1000以上閲覧されるほどだ。多くの人が役立つと思っているのが分かるであろう。そうでなくても大丈夫。一度見てみてほしい。どれが自分に合うのか、気にせず、気楽に。吐き気を催すものであっても責めたりはしない。違うライターはみな違うのだ。もし私のこのメソッドがあなたに合ったのなら嬉しい。私自身が最も合う方法だがあなた自身が自分で最も合う方法を見出すのが大切だ。ご自身の小説を書くことを楽しんでほしい。

デザインの重要性

良いフィクションというのは今まさに起こっているものではない。デザインされたものである。小説を書く前と後でデザインは可能だ。私は両方で行い、初めにデザインすることが速く良い結果を導くと思っている。デザインは大変な仕事でだからこそ早めに指針を見出すことが大切なのだ。この記事ではあなたのデザインを導く例を紹介する。

基本的な質問がこれだ。どうやって小説を設計するのか?

snowflake method スノーフレイクメソッド私は何年もソフトウェアプロジェクトを設計するソフトウェアエンジニアだった。小説を書くときは、ソフトウェア時代にもしていた「スノーフレイク・メソッド」を使用していた。さて、スノーフレイクの例えは何であろうか?もう少し詳しく説明する前に次のウェブサイトを見てみよう。

一番初めのページを見ると、可愛らしい雪の結晶の形をしたものがご覧いただけるだろう。

実はこれ、長い間研究されているとても重要な数学的物体なのである。私たちの目線だとただの上手な雪の結晶の絵に見える。もう少し同じウェブサイトを下にドラッグしてみれば大きな三角形と下に矢印がある箱が見える。右矢印のボタンを何度もクリックすると雪結晶に使用された方法が見えてくる。初めは結晶には見えないが、何回かすると結晶が出来上がるのだ。

初めの何段階かはこのような感じだ。

このように小説を設計するのだ。―――初めは小さいが、それが話になるまで積み上げていくのだ。この部分を創造的業務といい、あなたに教えることができない。ここでは。

しかし、この業務は自身の創造性を生かすことだ。―――良く構成された小説にうまくまとめていく。これが私がここで伝えたいことである。

もしあなたが大概の人であるならば、書く前に自分の小説についてたくさんの時間を費やすであろう。調べ物をするだろう。昼寝のなかでどうやって話が進むか夢見るだろう。ブレーンストーミングをする。色々な登場人物からの声が聞こえる。あなたは小説がどんな話かを考える。―――深いテーマを。これは「構成」と私が呼ぶどんな本にも欠かせない重要なことである。これは正確ではなく、作者により異なるものだ。あなたは、自分の話を構成して自身の中で上手く組み立てている小説の中に取り込み、座って既に小説を書き始める準備ができている。

設計の10の手順

しかし、書く前に組み立てが必要である。自身の素晴らしいアイディアを紙に書き出していく必要がある。なぜ?それは記憶はなくなってしまいやすく、あなたの創造は話の中にたくさんの穴が空いているかもしれないから。―――小説を書き始める前にその穴を埋めなければいけない。ドキュメントを設計しないといけない。そして小説を書くにあたっての欲望をなくしてはならないためのプロセスを作る必要がある。ドキュメントを設計するための10の手順をお教えしよう。私は自分の小説にこの方法を使っている。皆様にも参考になれば嬉しい。

手順1)時間をかけ、自分の小説を1文でまとめる。こんな風に。「悪の物理学者はキリスト使徒のポールを殺害する為にタイムスリップした。」(これは私の一番初めの小説のまとめである。罪。)文章を書くのに時間がすごくかかるだろう。これは雪の結晶の絵に大きな三角形がある大きな絵である。

あなたが小説の内容を書き始めるとき文章は内容の段階の初めに表われなければならない。

それが、自身の小説を編集者や委員会、本屋や特に読者に売る際のカギになる。だからぜひとも頑張ってほしい!

いい文章を作るのに何個かヒントがある。

  • 短いほうが良い。15ワード以下が好ましい
  • キャラクターの名前は不要。
  • 大きい絵と小さい絵を一緒につなげる。どのキャラがこの話で負けてしまうのか。彼、彼女が何に勝ちたいのか教えてください。
  • NYタイムズ紙のベストセラー小説リストにある1行推薦広告を読んでみてください。どうやって書いてあるのか。1文描写をすることは芸術です。

手順2)更に時間をかけ、話の内容を始まり、展開、エンディングの全パラグラフまで広げてみよう。これがスノーフレイクの第二の段階だ。私は「3つの破壊とエンディング」で話を組み立てるのが好きである。それぞれの破壊は進化に4分の一費やし、エンディングは最終の4分の1かける。これが理想的な構成かどうかはわからないが、私自身の好みである。

もしあなたがこの3アクト構成を好むのなら始めの破壊はアクト1の終わりと一致する。2番目はアクト2の真ん中になる。3番目はアクト2の終わりと一致する。そしてアクト3ですべて終わらせる。最初の破壊で予想外のことが起きるのは大丈夫だが2・3番目は立て直していくべきところである。事が悪いほうへいってしまう。

自分の企画にこのパラグラフを使用することもできる。理想的にはパラグラフには5文章あるといい。1文章は背景と話の始まりがある。そしてそれぞれの破壊が3つある。そしてもう一つの文章はエンディングになる。裏表紙の文章とごちゃまぜにしないでほしい。このパラグラフは全ストーリーを要約したものである。裏表紙には話の一番初めの4分の一部分の要約が載る。

手順3)上記の内容はハイレベルな見解を示した。さて、主人公たちのそれぞれの何か似たような話も必要になってくる。キャラクターとはどんな小説にも1番大切な部分である。そして彼らを構成した時間はあなたが小説を書き始めるときに大いに役立つだろう。それぞれのメインキャラクターを時間をかけて1枚の紙に要約するといい。紙には、

  • キャラクターの名前
  • キャラクターの話を1文で要約
  • キャラクターの目的(彼、彼女は抽象的に何がほしいのか。)
  • キャラクターの戦い(その目的に立ちはだかるものとは。)
  • キャラクターのひらめき(何を学ぶのか、どうキャラクターは変化するか。)
  • キャラクターの話を1文で要約

重要なポイント

1文の要約を書いていくと、途中で戻ったり訂正したりとすることも必要になってくるかもしれない。どうぞしてください。あなたのキャラクターたちがその話をより良いものにできるよう教えてくれている、ということなのだ。どの段階であっても早い段階なら戻っても訂正しても大丈夫である。大丈夫なだけではなく、避けられないものなのだ。そしてしれは悪いことではない。どんな訂正でもこれからの400ページで訂正する必要性がないかもしれない。

その他の重要なポイント

完璧でなくても大丈夫。作っていくそれぞれの手順の目的は次の手順への前進のためだ。前進し続けよう!話をよくするためにはいつでも戻り訂正することができるのだ。私よりもあなたが賢ければ上記のことだってできるのだ。

手順4)この段階までに、小説の大部分の考案を頭の中に描いておき2・3日費やしておく。本当は1週間ほど費やすのがいいのだがまあそれはどちらでもいい。もし話が壊れてしまったら一番初めに費やした500時間もの最初の下書きよりも今はもうどういうことか分かるであろう。今はただ話を膨らましていく。数時間かけそれぞれの文章をパラグラフまで広げていく。全パラグラフもそうだが、最後の段は壊滅的に終わらせる。最後のパラグラフはこのように話が終わることを読者に伝える。

これはとても面白いし、練習にもなり、それなりの1ページが出来上がる。

理解できていなくても大丈夫だ。大切なのは自分のアイディアが話に膨らまされているかだ。矛盾を拡大させる。他に代替できる概要を持っていても適切な概要がなければいけない

手順5)それぞれの主要キャラクターの描写を1ページ、1・2日かけて書いき、その他のキャラクターの描写を半ページ書いてみよう。このキャラクター概要は話の重要性を占める。いつものようにいつでもキャラクターの概要をよりよくするために戻り訂正してもいい。私はこの手順をよくしている。キャラクターの概要を自身の思い描いている中に入れこむ。編集者はキャラクター概要が大好きである。彼らは登場人物を基にしたフィクションが好きだからだ。

手順6)ここまでですでにそれぞれのキャラクターの概要や話が固まってきている。では、1週間かけて小説の1ページだった概要を4ページまで広げていこう。基本的に、手順4からそれぞれ広げていく。これは面白いものになる、なぜなら話がハイレベルになり構成がうまくなされていくからだ。話を展開していくのに戻っては訂正しをしていく。そして新しいアイディアがまた浮かび上がる。

手順7)更にもう1週間かけて全体のキャラクターの詳細を描写して行こう。生年月日や、描写、背景、目標など。最も重要なのは、エンディングにかけてキャラクターがどのように変化していくのか?これは手順3をさらに広げた作業だ。そしてそれはあなたのキャラクターについてたくさん教えてくれるだろう。もしかしたら手順1から6までの作業を戻ったり訂正したりするだろう。でもそれはキャラクターをより本物に、話の中で強固なものにするために必要な作業であろう。キャラクターはとても大切な一部だ。時間を必要なだけかけてほしい。なぜならデータを保存しているだけだから。この手順を終わらせたとき、(ここまで到達するのに1か月はかかるかもしれない。)ほぼ自分の計画に必要な分はすでに出来上がっている。もしあなたが小説を出版される側の小説家なら提案を書き、売ることができるが、もしまだ小説家でもないなら出版の前に小説を書かなければならない。

そんなのは平等ではない。でも人生は平等ではなく特にフィクションの世界では不平等しかないのだ。

手順8)本の出版を待つ中で、中断してもいいし、しなくても構わない。同時にあなたはすでに小説を書いているのだから。でも、それをする前にあなたがもっと下書きを簡単にできることがいくつかある。まず始めは、4ページを使い、全部の話を小説にすることだ。そのリストを作るにはスプレッドシートを作ることだ。

これは多くの筆者をビビらせているのだが。ビビっている場合ではない。ワープロを勉強してきたはずだ。スプレッドシートは簡単である。場面のリストを作っていくだけだ。そうすれば勝手にリスト化していく。もし説明書がほしいなら本を買いなさい。たくさんの説明書があるなかで、合うものがあるはずだ。1日弱時間をかけて必要なことを学び、価値あるものを得ることができるだろう。是非、してほしい。

全4ページのストーリー内容から場面の詳細をスプレッドシートに書き込む。書く場面ごとに1行作ってください。1コラムにPOVキャラクターを作ります。その他のコラムには、何が起きるかを書く。もっと空想を膨らませたいなら何ページ書くコラムを増やしていく。スプレッドシートは理想的である。一目で全体の内容がわかり順序も変えられやすいからだ。

私のスプレッドシートはたいてい100行を超えるし、各場面1行だ。話を膨らませていくにあたり私は新しい話バージョンのスプレッドシートを作る。これは話を分析するのにとてもよく価値あるものである。良いシートを作るのに1週間かかる。作り終えたときに新しいコラムを追加したりチャプター番号をふる。

手順9)(このステップはどちらでも構わないが、私はもう使っていない。)

もう一度ワープロに戻り、話のナレーション部分を仕上げていこう。スプレッドシートの各行から場面のパラグラフへ広げていこう。あなたが考える会話を書き込み重要な葛藤を描いてみよう。もしそういった場面がないのなら葛藤を付け加えるか場面を少し擦ってみよう。

私は以前、1チャプターにつき1ページか2ページ書いたものだ。そして新しいページにそれぞれのチャプターを書き始めた。それから印刷をかけルーズリーフに挟んだ。そうすることで後で簡単にチャプターを変えられたり他の章をごちゃごちゃにせず、文章を訂正できた。このやり方はたいてい1週間ほどかかり最終的には最初に下書きで書いたのよりも赤ペンで訂正した原稿が50ページ以上にもなった。朝起きて思い浮かんだ良いアイディアがこの原稿に手書きで凝縮されたものになる。ちなみにこの方法は全ライターが嫌うような恐ろしいほどの細かな概要を描くよりもずっと楽な方法である。手順1から8までをまず試してみるとなかなか面白いと思う。私がこの手順をした時、誰にも、もちろん編集者にも概要を見せなかった。1週間で始めの下書きを想像してみよう!そう、あなたならできるし、時間をかけることに価値がある。しかし正直に言うと私にはもうこの方法は必要ないと思う。なので、私は今はもう使っていない。

手順10この時点で、腰を下ろし小説の初めの下書きを書き出してください。きっとあなたはスラスラと話が出てくるのに驚きを隠せなくなるだろう。いつもの3番目の下書きより初めの下書きでより良い質で作り始めると同時に一晩で3倍の速度で書くライターに出会ったことがある。

ここまでにあなたは全ての創造性が話の中に絞り出されると思うかもしれない。まあスノーフレイクメソッドを書いたときに分析をしすぎない限りはそうであろう。ここでは面白い部分であるのだ、なぜならばここでは小さい論理的な問題がたくさんあるからだ。主人公はどうやってワニに囲まれたところから逃げ出し、燃えているボートに乗った女性を救出するのか?その答えを探し出すのだ。でも、小説の大構造をすでに分かっているから面白い部分である。なので、あとは小さい限られた問題を解けば比較的早く書くことができる。

この段階はとても楽しくワクワクする段階である。多くのフィクション筆者に聞くと一番初めの下書きはいかに大変かという不満が聞こえる。常に、次に何が来るのかが全く分からないからだ。これには驚きました。人生はこんな風に書くと同じように短いのだ!150時間で確固たる下書きが書けるときに小説の初めの下書きに苦戦して500時間を費やすのに理由はない。小説を書き100時間を数えて先に先に考えておく。

初めの下書きの半分いったところで私は一呼吸してデザイン部分の壊れた部分を直していく。デザインは完璧ではない。でも大丈夫である。デザインは基礎の部分では修正しない。小説をどんどん作り上げていく際に仕上げていく。もし正しくプロセスを踏んでいたら初めの下書きの最後にはずいぶん上達したデザインに笑いが出るであろう。そしてどれだけ話が深まっているのか驚くだろう。

何年も私は会議で何百ものライターにこのスノーフレイクメソッドを伝えてきた。また、長い間このウェブサイトにこの記事を載せてきました。今や、240万回以上閲覧されている。たくさんのライターの方からの話を聞く。いくらかの人々はこのスノーフレイクメソッドが好きだ。でもほかの人々は違う。私は、このやり方がその人に合うなら使ってほしいと思っている。でもほんの一部だけ、合うという人がいるならそこの部分だけを使ってほしい。私は自分の小説をこのメソッドで書いている。間違いは何一つない。公平な仕事である。長い間、それぞれの場面のリストを作るのにマイクロソフトワードやエクセルを使用してきた。残念ながらどちらもフィクション構成を使えなかった。ついにこのメソッドが仕事を簡単にしてくれるものと気づいた。

私はソフトウェアを開発しようと決心した。自動的に各手順ができて簡単なもの。その結果がスノーフレイクプロと私が呼ぶ商業用ソフトウェアだ。それは私の作業を簡単にし、他の多くのライターにも同じように作業を簡単にしてくれるものだ。

snowflake Pro software スノーフレイクプロ ソフトウェアスノーフレイクプロはこのメソッドを速く簡単に、そして楽しいものにさせてくれる。MacWindowsLinuxに対応している。現在は、私の著書Writing Fiction for Dummiesをお持ちの方に50パーセントの割引を適用しています。

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